オーダーメイド医療とは
オーダーメイド医療(order-made-medicine)とは、個人に合った医療を行うことを指す和製英語で、世界的にはテーラーメイド医療(tailor-made medicine)、個別化医療(personalized medicine)等と呼ばれています。
背景
これまでの医療は、疾患の原因を追求し治療方法を開発することが中心であったため、同じ病気に対する治療の効果や副作用等が個人によって異なることは知られていたものの、個人に合わせた治療や投薬は試行錯誤に頼らざるを得ない状況でした。
しかし近年、ヒトゲノム解析の進展に伴って、わずかな遺伝子の違いが治療の効果や薬の副作用に深く関わっていることが明らかになってきました。
1塩基多型(SNPs)とオーダーメイド医療
DNAは4つの塩基配列によって様々な情報をコードしていますが、その配列は同じヒトであっても少しずつ異なっています。この違いはゲノム全体の1%程度あると考えられており、その中でもっとも多い違いが一つの塩基だけが異なる塩基に置き換わった1塩基多型(single nucleotide polymorphisms : SNPs)です。
1塩基のみの違いでは発現するタンパク質の種類や機能に大きな影響を及ぼすものが少ないと考えられてきましたが、近年この違いによって薬の効果や副作用に差が生じている事例が少しずつ明らかにされています。
これは、病気患者の遺伝子をあらかじめ解析してSNPsのパターンを把握することにより、個人に適した治療や投薬を実施できる可能性を示唆しています。DNAマイクロアレイによるDNA解析の高速化やナノ材料を活用して薬物の体内挙動を制御するドラッグデリバリーシステム(DDS)の進歩も合わさり、今後オーダーメイド医療は大きく発展すると期待されます。
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