科研費(競争的資金)情報

最終更新日:2024.06.30

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競争的資金・科研費について解説!
研究分野ごとの予算推移がわかる。

研究ネットでは、研究予算の獲得を目指す研究者向けに、競争的資金・科研費についての解説や、過去10年間の予算推移を掲載しています。予算推移は、研究分野ごとにご覧いただけます。

競争的資金・科研費とは

競争的資金とは

競争的資金は、研究者が資金配分主体(府省庁・公益法人・財団法人・企業等)が公募する研究課題を応募し、競争的に獲得する研究資金のことです。
研究者が応募した研究課題に対し、専門家を含む複数の者による科学的・技術的な観点を中心とした評価および審査が行われます。
資金配分主体が政府系(府省庁等)の競争的資金制度は数多くあり、代表的なものが、日本学術振興会による科学研究費助成事業(科研費)です。
競争的資金の概要、制度の一覧は内閣府のWebサイトをご覧ください。

科研費とは

科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金/科学研究費補助金)は、日本学術振興会が資金配分主体となる競争的資金制度の一つです。人文学・社会科学から環境学までの全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる「研究者の自由な発想に基づく研究」を発展させることを目的としています。
応募された研究課題を、研究者コミュニティによって選ばれた研究者が評価・審査し、独創的・先駆的な研究に対する助成を行います。応募資格を持つのは、研究機関に所属し、研究活動に従事している、学生ではない研究者です。
科研費には、様々な研究種目があり、それぞれに研究期間、交付金額等が設けられています。応募する場合には、研究者が科研費の応募資格の確認、研究種目と審査区分の選択、研究計画調書の作成を行い、所属機関へ提出します。
科研費の概要、種目の一覧は日本学術振興会の科研費パンフレットをご覧ください。

競争的資金・科研費の予算推移

研究ネットでは、競争的資金・科研費について、過去10年間の予算推移を掲載しています。競争的資金では予算額を、科研費では配分額を政府資料から集計し、研究分野ごとに掲載しています。

競争的資金の予算推移

競争的資金の予算推移
  • 政府系(府省庁等)の各競争的資金制度の概要や目的、採択課題から研究分野を推定し、予算額を分配しました。
  • 2018年度に科研費の審査システムの改定があり、審査区分が変更されたため、2018年度以降の予算額に2017年度以前の科研費の継続分の予算額は含みません。
  • 集計後に四捨五入しています。そのため、合計と内訳が一致しないことがあります。
予算総額が大きく増加
2019年度の予算総額は7,762億円で前年度よりも大幅に増加しました。工学(機械、電気電子、土木等)、医・歯学、情報学分野の予算の増加が際立ち、「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」が新設された他、「ロボット介護機器等福祉用具開発標準化事業」の予算額が増加しました。
参考:ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業(NEDO)
グリーンイノベーション基金事業により、2兆円の基金造成
2020年10月、日本は2050年までに温室効果ガス排出をゼロにする「2050年カーボンニュートラル」を宣言しました。この目標は従来の政府方針を大幅に前倒すものであり、目標実現のために、大胆な投資によるイノベーションが必要となりました。このため、政府は「グリーンイノベーション基金事業」により、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)に2兆円の基金を造成し、これに経営課題として取り組む研究機関・企業に対して、10年間、研究開発・実証から社会実装までを継続して支援しています。
参考:グリーンイノベーション基金事業(NEDO)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を契機に複数の制度が新設
2021年度は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行を契機に「ワクチン・新規モダリティ研究開発事業」「創薬ベンチャーエコシステム強化事業」「ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成」等、ワクチン開発に関する複数の制度が新設されました。
参考:ワクチン・新規モダリティ研究開発事業(AMED)
NEDOの制度の予算額増加
2022年度にはNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)により、「バイオものづくり革命推進事業」の制度の新設と、「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」、「グリーンイノベーション基金事業」への多額の予算が設けられました。そのため、2022年度の競争的資金全体の予算総額も前年度に比べ大幅に増加しました。
参考:バイオものづくり革命推進事業(NEDO)

科研費の予算推移

科研費の予算額(直接経費と間接経費とその他)と、研究分野ごとの配分額(新規採択+継続分の直接経費)の推移を掲載しています。

科研費の予算推移
  • 配分額は、「特別推進研究」「新学術領域研究(研究領域提案型)」「学術変革領域研究」「基盤研究」(特設分野研究を除く)「挑戦的研究」(特設審査領域を除く)「若手研究」 および「国際共同研究加速基金(国際先導研究及び国際共同研究強化(B))」の研究種目を対象に集計しています。
  • 2018年度に科研費審査システムの改定があり、審査区分が変更されたため、2018年度以降の配分額に2017年度以前の継続分は含みません。
  • 集計後に四捨五入しています。そのため、合計と内訳が一致しないことがあります。
科研費審査システム改革2018
平成30(2018)年度科学研究費助成事業に係る公募・審査より、審査区分および審査方式が見直されました。審査区分の「系・分野・分科・細目表」(細目表)が廃止され、「小区分、中区分、大区分」で構成される新たな審査区分が設定されました。それに伴い、新たな審査方式として「総合審査」および「2段階書面審査」が導入されました。
参考:審査区分表等(日本学術振興会)
学術変⾰領域研究の創設
「新学術領域研究」を発展的に見直し、時代の学術を担う研究者の参画を得つつ、学術の体系や方向の変革、転換を先導する新種目である「学術変革領域研究」が創設されました。助成金額や研究期間等に応じて、「学術変革領域研究(A)」、「学術変革領域研究(B)」の2つの区分が設置されています。
参考:学術変革領域研究(日本学術振興会)
国際先導研究の創設
「国際先導研究」の創設により、⾼い研究実績と国際ネットワークを有するトップレベル研究者が率いる優秀な研究チームによる、海外トップレベル研究チームとの国際共同研究が強⼒に⽀援されます。さらに、若⼿(ポストドクター、博士課程学生)の参画を要件とし、⻑期の海外派遣・交流や⾃⽴⽀援を⾏うことにより、世界と戦える優秀な若⼿研究者の育成が推進されます。
参考:国際共同研究加速基金(日本学術振興会)
「基盤研究(B)」の基金化
2023(令和5)年度補正予算の成立により、2023年以前に採択された「基盤研究(B)」の継続課題が新たに基金化されます。また、2024年度の新規採択課題も基金化される予定です。
参考:基盤研究(B)の基金化について(日本学術振興会)

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