研究用語辞典

ドラッグデリバリーシステム(DDS)とは

生物学系

最終更新日:2023.04.17

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ドラッグデリバリーシステムとは

ドラッグデリバリーシステム(drug delivery system:DDS)とは、体内での薬物分布を制御することで、薬物の効果を最大限に高め、副作用を最小限に抑えることを目的とした技術を指します。

DDSのメリットと種類

DDSのメリット

  • 薬剤が目的の場所に効率良く届くことで、的確な効果が得られます。また、投薬量の減少も期待できます。
  • 投薬が必要な場所でのみ薬剤が働くので、副作用を抑えることができます。

DDSの種類

プロドラッグ
ある薬剤に別の分子を付加し、そのままの状態では薬効を示さないように作られています。
体内の酵素等により、付加した分子が外れることで薬効を示すようになります。
アンテドラッグ
薬効を発揮した後、すぐに代謝・分解されるように工夫されているため、副作用が低減されます。
徐放製剤
長時間にわたって、一定量の薬物を放出するように工夫されています。

DDSとナノテクノロジー

原子・分子レベルで人工的に作られた物質を機器等に応用する技術をナノテクノロジーと言いますが、精密機器等での利用以外に医療分野でも応用が期待されています。
具体的には、ナノレベルの大きさで作られた輸送用の分子に薬剤を内包し、その動きを外部から制御することで目的の場所まで輸送するための研究や、特定の遺伝子をナノレベルの分子を用いて輸送することで、特定の部位での遺伝子発現を制御する等の研究が進められています。
近い将来、ナノレベルの物質を利用したDDSが実用化されることが期待できます。

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