研究用語辞典

カラムクロマトグラフィーとは

化学系

最終更新日:2023.07.03

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カラムクロマトグラフィーとは

化合物の精製法の一つで、筒状の容器に充填剤(シリカゲル、多孔性ゲル、合成樹脂等)をつめ、これに混合物を流すことで、混合物から目的の化合物を精製する手法です。充填剤や移動相を変えることで有機化合物、核酸、タンパク質等の様々な物質に対して使用することができます。

カラムクロマトグラフィーの原理

カラムクロマトグラフィーでは、移動相に含まれるいくつかの化合物と固定相(各種充填剤)との相互作用による流出速度の差によって、物質を分離することができます。移動相との相互作用が強ければ、物質は移動相と共に迅速に流れ、固定相との相互作用が強ければ物質は留まりやすくなり、ゆっくりと流出していきます。

代表的なカラムクロマトグラフィー

  • シリカゲルカラムクロマトグラフィー
    充填剤として極性の高いシリカゲルを用い、物質の極性の違いによって分離を行うクロマトグラフィーです。
    極性の高い物質はシリカゲルによく吸着しますが、極性の低い物質は相互作用が弱く先に流出します。
  • イオン交換クロマトグラフィー
    電荷を持つ充填剤(合成樹脂)であるイオン交換樹脂を用いたクロマトグラフィーです。
    充填剤と反対の電荷を持つ物質は相互作用が強く、流出しづらくなります。
  • サイズ排除クロマトグラフィー
    分子量や分子サイズによって分離を行なうクロマトグラフィーです。ゲル浸透クロマトグラフィーとゲルろ過クロマトグラフィーに分けられます。細孔を持つシリカゲル等を充填剤として用います。サイズの大きな分子は細孔に入らず速やかに流出し、サイズの小さな分子は細孔内を通過するので流出まで時間がかかります。
  • 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
    圧力をかけて移動相を押し出すことで、通常のクロマトグラフィーよりも短い時間で分離ができ、さらに高い分離能があります。内部のカラムや移動相を交換することで、多くの物質に用いることができます。

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