粘度計とは
「粘度計」とは、液体や半固体(液体と固体が混ざっている状態)の粘度を測る器具のことです。
その歴史は古く、毛細管式粘度計から始まりました。
現在では、コーティング材料に限らず、広く液体から半固体まで測れるレオメーターと呼ばれる汎用型の粘度計まで、選択の幅が広がっています。
粘度
「粘度」とは、液体の粘りの度合いを示す数字です。 別名を粘性率、粘性係数ともいい、単位はm2/sですが、10-4m2/s = 1St(ストークス)も使われます。工業的にはセイボルト秒等という単位もあります。
オストワルド粘度計
オストワルド粘度計は、比較測定に使われる粘度計です。
使用方法
- 粘度計を、上部標線の上方まで粘度計用恒温水槽に浸します。
- 液体試料を上部標線の上方まで吸い上げた後、自然に流下させ、上部標線から下部標線までの液体サンプルが、毛細管を流下するのにかかる時間を測定します。
- 同じ方法で、粘度既知(粘度が分かっているサンプル)の標準液を測定しておいて、その値と比較してサンプルの粘度を算出します。
回転式粘度計
現在の粘度計は回転式が主流です。
せん断速度という速度を求めることにより、粘度を測定します。

実用動向
様々な工業製品の材料となる物質の中で液性試料の物性を測定する際、ひとつの項目として粘度が測定されます。流動性が高い状態のまま使用される場合と、コーティング剤等として使用される場合では必要とされる粘度の基準は全く異なり、それぞれの状況に応じて測定方法や使用する粘度計の性能も異なります。
粘度を測定する際、重要な要素の一つとして「せん断速度」が挙げられます。せん断速度とは、流体が移動する際、流路の壁面付近と内部で、壁面との摩擦力により移動速度が異なることから生じる速度勾配のことを指し、粘度を測定する際に使用する流路の表面性質や直径等に応じて、せん断速度は変化します。
そのため、粘度計には、ユーザーがせん断速度を設定可能であることが求められます。他にも、粘度は温度・時間・圧力によっても大きく変動するため、それらの因子を制御可能であることも重要な性能であると言えます。
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