転写終結とは
転写はRNAポリメラーゼによって行われ、プロモーター配列を認識し転写が開始される。そして、ターミネーターで転写が終結する。
では一体、どのようにして転写が終結するのか大腸菌の場合を例にとって説明する。大腸菌の場合、遺伝子のORF(タンパク質をコードする領域)が終わってしばらくすると、GとCが多い逆意反復配列が現れ、 それに引き続きTの並んだ配列が現れる。
転写されたmRNAはGとCに富む逆意反復配列部分で部分的な2本鎖構造(ヘアピン構造)を形成する。大腸菌のRNAポリメラーゼは自らが合成したmRNAがヘアピン構造をとるとRNAポリメラーゼはDNA鎖から外れる(図a)。
しかし、mRNAが形成するヘアピン構造がRNAポリメラーゼをDNA鎖から外すほどの十分に安定な大きさでないような場合、ρ因子と呼ばれる因子がDNA鎖からRNAポリメラーゼを外す手助けをする(図b)。
ρ因子の手助けなしでRNAポリメラーゼが外れてしまうのをρ因子非依存的転写終結といい、一方で、ρ因子が必要であるものをρ因子依存的転写終結という。
