制限酵素とは
制限酵素は1968年にウェルナー・アーバーとハミルトン・スミスによって発見されたDNA塩基配列を特異的に切断する酵素です。大腸菌のある種の株でファージの増殖が制限されることが発見のきっかけとなったため制限酵素と名付けられました。現在では2本鎖のDNAを切断する酵素を「制限酵素」として定義しています。制限酵素の発見により大腸菌のDNAにヒトのDNAを組み込ませるような遺伝子組み換えが可能となりました。
制限酵素は必須因子や切断様式によりⅠ~Ⅲ型の3種類に大別されます。そのうちの切断箇所の再現性が高いⅡ型酵素が遺伝子組み換えに多用されています。各々の制限酵素が切断するDNAの塩基配列は決まっており、その多くがパリンドローム(回文)と呼ばれる配列をしています。パリンドロームとはDNAの塩基配列に関して、二重鎖の一方を読んだ場合と、もう一方(相補鎖)を逆向きに読んだ配列順序が同じになる構造をいいます。
制限酵素の例

どんなところで使われているのか
遺伝子のクローニングやサザンブロッティング等に使用されます。またPCR法と組み合わせることで親子診断に応用することも可能です。
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