研究用語辞典

ラジカルとは

化学系

最終更新日:2023.07.03

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ラジカルとは

ラジカル(radical)とは、不対電子を持つ原子や分子を指します。
通常、電子は二つずつ対になって(共有電子対)同一軌道上に存在していますが、熱や光等の強いエネルギーによる電子の移動や、化学結合の開裂等によって不対電子ができ、ラジカルとなります。ラジカルは共有電子対を形成していないため、極めて不安定かつ反応性の高い状態の分子種です。そのため、中性で温和な反応条件で反応が進行する、位置選択性が高い等通常の化学反応とは異なる反応性を示します。
また、ラジカルは非ラジカル種と反応する際に電子を奪い取って安定化するため、反応後には新たなラジカルが発生します。新たに発生したラジカルはさらに次の標的分子から電子を奪い取るため、反応が連鎖的に進行します。
これを「ラジカル連鎖反応」と呼び、この反応はラジカル同士で電子を授受することで終了します。
こういったラジカル種に特有の反応性は、ラジカル開始剤やラジカル除去剤等で制御可能であり、有機化学の分野では研究室レベルから工場レベルまで幅広く利用されています。

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