導電性高分子とは
2000年のノーベル賞を受賞した白川英樹氏が発見した高分子です。高分子は通常は電気を通さないが、導電性高分子は電気を通すという特徴があります。
これは、炭素同士が共役二重結合という結合で結ばれているためで、炭素間が単結合(-)と二重結合(=)の繰り返しで結合されているものです。
もっとも単純な導電性高分子であるポリアセチレンは、アセチレンが数多く結合してできています。アセチレンはもともと炭素間が三重結合で結ばれており、このうちの1本の結合が切れて、隣のアセチレン分子とつながることで単結合と二重結合が交互に繰り返された構造が完成します。
ポリアセチレンの構造

二重結合のうち1本の結合を作っている電子雲は炭素結合を挟むように広がっています。共役二重結合が長くなると、この電子雲は単結合のほうにも広がり、全ての炭素間の結合が単結合と二重結合の中間的な結合になります。ここへ臭素やヨウ素等を混ぜることで、炭素から電子雲がヨウ素に移動し、その炭素は+の電極を帯びます。これを正孔といい、ここに電圧をかけると、周りの 炭素の電子雲が正孔に電子雲が移動し、その炭素の電子雲がなくなります。つまり正孔が移動することとなります。このように次々と正孔が移動して電気を通していくのです。また、これをp型ドーピングによる伝導と呼びます。
導電性高分子はコンデンサー等に実用化されており、有機ELディスプレイには欠かすことのできないものとなっています。
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