研究用語辞典

細胞周期とは

生物学系

最終更新日:2023.07.03

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細胞周期とは

細胞周期(Cell Cycle)とは細胞が増えるとき、細胞分裂が生じ、細胞分裂で生じた細胞(娘細胞)が再び細胞分裂を行う細胞(母細胞)となって新しい娘細胞を生み出す過程のことです。主に酵母の変異株を用いた研究でその制御機構が明らかにされました。細胞はG1, S, G2, M期という過程を経て増殖します。
G1期はDNA合成準備期とも呼ばれG1チェックポイント等の機構によって細胞分裂を進行するかを判断し、S期ではDNAの複製が行われます。G2期では細胞が分裂するための準備が行われ、M期で細胞が分裂を開始します。この一連の流れを細胞周期といいます。

G0期の重要性

細胞が常に増殖しているのかというとそうではありません。細胞増殖の調節を考えたとき、多くの細胞はG0期にとどまり細胞分裂を停止します(下図参照)。G0期とは増殖能力は保ちつつも細胞分裂を停止している状態のことを指します。実は、体内に存在する細胞のほとんどはG0期にとどまっており、増殖を停止しています。
これは細胞が接触しているために生じる性質として考えられておりコンタクトインヒビション(細胞の接触障害)と呼ばれています。これによって臓器が過剰に大きくなったりすることを防止しています。
しかしながら、がん細胞においてはG0期にとどまることはせず無制限に増殖を続けます。この為、がん組織が膨らみ続けひずみが生じ、組織が破損することにより、激しい痛み(疼痛)を生じます。がん細胞と正常細胞の違いはG0期にとどまる能力があるかないかとも考えることができます。

細胞周期

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